このコーナーでは、大下宗香のプロデュースした茶器・棗を、時期によりチョイスして
ご紹介します。日本文化の美しさ・しなやかさを伝えると共に、トラディショナル・ク
ラフトの真の意味での豊かさを感じて頂きたいと考えております。

今回の特集は百人一首箱根付です。
根付(ねつけ)とは、あの御隠居さまでお馴染みの印篭(いんろう)とペアで使うもので、帯締
めのような役割があります。印篭の絵柄との組み合わせでコンセプチュアルアートのような楽し
み方があります。現代では、その根付だけがピックアップされ、その小さな宇宙とも言える美し
い世界が欧米の日本美術コレクターを魅了しています。
■小野小町(おののこまち) ■蝉丸(せみまる)
根付の多くは象牙や木材・石などを彫り込んだ小彫刻のようなものです。
今回私共が制作したものは、箱根付(はこねずけ)と言い、その名のとうり箱状の根付でもちろん
箱と言うからにはふたが開きます。蒔絵ものの根付としては最も手間と時間のかかる形体と言える
でしょう。
■天智天皇(てんちてんのう)
根付のサイズ(高さ×幅×奥行きmm)
20×30×35
■西行法師(さいぎょうほうし)
■紫式部(むらさきしきぶ) 裏には金平目のバラ蒔きと香苑(こうえん)の
サインが・・・。
蝉丸(せみまる)の内側です。
内側側面にも絵と歌が・・・。
箱の中は夜光貝で敷き詰められています。
他に切り金や金つぶ仕立てのものもあります。
中にはヒモを通す為の穴があけられています。
こうして見てみると根付がいかに小さく、その中に展開する
イメージが奥深いかが分かってきます。
美術コレクターが色々なモノを収集し、最後に行き着く所だ
と言われることもあるそうですが、そう言われてもうなずけ
る程の美しさや豪華さ・コンセプト・技といった魅力の詰っ
た世界と言えるのではないでしょうか。

バックナンバーはこちらヨ。
Vol,1 ■花兎マキエ/独楽筋中次・筋中次

Vol,2 ■竹に雀高中次
Vol,3 ■楓に流水蒔絵香合
Vol,4 ■秋月夜溜面茶器

Vol,5 ■月に秋草蒔絵面棗

こちらは紫式部の内側。
それぞれの箱根付内側に残りの歌と歌にあった
絵が描かれています。
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