このコーナーでは、大下宗香のプロデュースした茶器・棗を、時期によりチョイスして
ご紹介します。日本文化の美しさ・しなやかさを伝えると共に、トラディショナル・ク
ラフトの真の意味での豊かさを感じて頂きたいと考えております。

まず第一回目にご紹介する茶器は花兔マキエ/独楽筋中次・筋中次です。

■花兔紋様について
 花兔紋は、花朶紋(かだもん)をやや傾斜さ
 せ、
土坡の上に振り向いた兔をおいたつくり
 土紋です。 
 その優雅で可憐な表現が古来多くの茶人たち
 に好まれました。 
 紋様というシンプルなデザインにすることに
 よって、スッキリとした印象が生まれ、漆黒
 とのメリハリの効いた、生(いき)な雰囲気
 をかもし出します。

■蒔絵
 茶器の天場と立ち上がりには漆で花兔紋が描か
 れ、金・銀・青金を蒔き、研ぎ出しによって仕
 上げられているので、その事もシャープな味を
 引き立たせる要素になっています。
花兔マキエ独楽筋中次/天場
■木地について
 独楽は莨壷などでよく使われ、馴染みのある方も
 多いと思いますが、その特徴はと言うと、中国南
 部およびタイなど東南アジアを中心に作られた同
 心円紋様を朱・黄・緑などの色漆で塗りわけた様
 式が上げられます。
 その要素だけを抽出したこの茶器の木地は、独楽
 の持っている唐物的なテイストが感じられると同
 時に、溜塗り仕上げによって木の持つ自然味が引
 き出されています。
 形状のタイプ的には「真」の中次がベースですが
 、前記のようなナチュラルさやカジュアルな印象
 から使える用途が幅広く、楽しみ方も拡がる茶器
 と言えるのではないでしょうか。
花兔マキエ独楽筋中次/立ち上がり部
右写真の左側が筋中次、右側が独楽筋中次です。
ご覧のとおり、左側の筋中次の方が細めの筋に
なっています。
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